· 

薬膳ってなに?

薬膳は中医学理論を基に、身体の状態を知る・食物が持っている力を知る・今の身体に何が必要なのかを考えて作る料理のことです。

中医学では「未病先防みびょうせんぼう」という考え方により、病気になる前の段階で身体の不調を整えることを大切にしています。軽い症状であれば、食事を見直しただけで改善することもあります。

 

〈中医学の二つの基本理念〉

整体観念せいたいかんねん天人合一てんじんごういつ … 人と自然界は一つであるという考え方。自然界で起こっている事は人体でも起こる。

弁証論治べんしょうろんち … 色々な角度から病気を診断して行う。

〈食物の持つ力〉

私たちが普段食べている食物は、漢方薬の材料と同じように色々な性質を持っています。これは、薬も食も源は同じであるという「薬食同源」のベースとなる考え方です。

 

四性しせい(食物がもつ身体を冷やしたり温めたりする性質)

 寒涼性の食材…きゅうり・すいか・トマト・苦瓜・なす・柿・昆布・蟹・バナナ・緑豆

 温熱性の食材…生姜・ネギ・紫蘇・にんにく・胡椒・みょうが・黒砂糖・海老・鶏肉

 平性の食材…米・じゃがいも・山芋・とうもろこし・にんじん・豚肉・キャベツ

 

 ★例えば、冷え性の方が毎日、身体を冷やすサラダばかり食べていると更に身体を冷やして症状が悪くなります。そんな時には生姜やネギが入った温かいスープがおすすめです。

 

五味ごみ(5つの味と作用による分類)

作用 症状 食材
酸味 筋肉を引き締めたり、出過ぎるものを調節したりする 多汗・下痢・尿漏れ レモン・梅・酢
苦味 余分な熱や湿気を取り除く・体内の老廃物を取り除く 身体に熱がこもっている・むくみ 苦瓜・菊花・ごぼう・緑茶
甘味 胃腸の調子を整える・痛みを緩和する・気や血を補う・味を調える 胃腸の調子が悪い・元気がない ウナギ・牛肉・鶏肉・卵・にんじん・なつめ・かぼちゃ・山芋
辛味 汗や不要なものを発散させる・気の巡りを良くする・血液の循環を良くする 気分が落ち込んでいる・肩こり・循環が悪くて手足が冷たい にんにく・紫蘇・生姜・山椒・シナモン・ネギ
鹹味 体内の固いものを柔らかくして散らす しこり・リンパ腫の腫れ・便秘 塩・昆布・海老・いか・貝・たこ

 

ハル調剤薬局の薬剤師は国際中医薬膳師の資格も取得しています。漢方相談や調剤の際に、様々な観点から提案ができるかと思いますので、お気軽にご相談ください。